議会報告

平成22年度 第2回定例会(6月9日)

6月9日に召集された平成22年度第2回港区定例議会は、区長不在という異例の事態のもとではありましたが、6月18日無事終了いたしました。

質問

今回私は、フォーラム民主を代表して登壇し質問いたしました。ここに全文を掲載します。
追求するテーマは、期せずして前回の代表質問(平成20年11月27日)の時と複数重複しておりますが、施策の推移等がうかがえてなかなか面白いものになりました。

ひわたし紀和子の質問

区政運営上の問題点について
  1. 港区の産業支援策について
  2. 実効性ある男女平等参画の取組みについて
  3. 「廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認」の評価について
  4. 港区における小中一貫教育の今後の方向性について

※ これら質問は、定例会における質問の全文です。

[1] 港区の産業支援策について

Q質問

一昨年のリーマンショックに端を発した世界的な経済・金融危機は、我が国の経済にかつてない深刻な影響をもたらしました。各企業の3月期決算では収益の改善が続き、景気は着実に持ち直しつつあると言われていますが、国民の暮らしや生活の「閉塞感」が改善されているという実感はありません。

こうした中、経済産業省は、産業構造審議会産業競争力部会の報告として6月3日に「産業構造ビジョン2010」を公表しました。経済産業大臣は、日本の産業の行き詰まりを打開するためには、現状分析に立脚して、官民が力を合わせて発想の転換を行う必要があるとした上で、この報告書は、産業構造の転換を実現するため具体的な処方箋を示したものと述べています。

産業の発展の先には、質の高い雇用、賃金の上昇、消費の拡大という好循環が生まれ、国民一人ひとりが豊かさを実感できる社会の姿を見ることができます。産業の将来的な発展に向け、官民が力を合わせた取り組みを進めることは、国政のみならず、自治体レベルにおいても不可欠です。

東京というメガポリスの中心に位置し、産業経済の中枢機能が集積すると同時に、約45,000もの企業を抱える港区においては申すまでもありません。そして、区内企業の大半を占める中小企業の発展に向けて、官民が力を合わせた取り組みを推進することこそが区の果たすべき役割ではないでしょうか。

区では、今年度から新たな中小企業振興施策を実施するとのことですが、この事業が目指している方向性はどのようなものなのかお伺いします。

また、東京都の調査によると、都内の企業倒産件数は4月時点で8ヶ月間連続して減少しているものの、一昨年以降、高いレベルで推移しており、港区内でも月平均で20件ほどの企業が倒産しているとのことです。

企業の倒産は、当該企業のみならず、取引先等の企業の経営にも悪影響を及ぼし、ようやく持ち直しつつある景気に水を差すものです。

区は経営が悪化している中小企業の支援策として緊急支援融資を実施していますが、それ以外にどのような対策を実施しているのかお伺いいたします。

A区長答弁

(1)新たな中小企業振興施策について

ただいまのフォーラム民主を代表しての樋渡紀和子議員のご質問に、順次お答えいたします。

最初に、区の産業支援策についてのお尋ねです。

まず、新たな中小企業振興施策についてです。

区には、ものづくり産業や情報通信、デザイン産業などさまざまな産業が集積しております。また、大学・研究機関も多く立地しており、こうした区の特色は、区内中小企業が競争力を高めるうえでの強みになります。

このような強みを生かし、区は、今年度から大学等の協力も得て、企業間連携交流会・分科会事業及び新製品・新技術開発支援事業を実施いたします。

こうした企業間連携や産学連携による区内中小企業の新たな製品・技術開発等を促進し、製品等の高付加価値化による市場での区内中小企業の競争力強化を積極的に支援してまいります。

(2)経営悪化中小企業への支援策について

次に、経営悪化中小企業への支援策についてのお尋ねです。

区は、厳しい経営状況にある中小企業に対し、緊急支援融資による資金繰り支援のほか、出前経営相談を充実し、経営基盤の強化を支援しております。

出前経営相談では、財団法人東京都中小企業振興公社等との包括協定に基づき、中小企業診断士、公認会計士、税理士、技術者等、各分野の専門家を派遣し、企業の抱える様々な経営問題にきめ細かく対応しております。

また、受発注の相談に適切に対応していくため、中小企業診断士による企業巡回相談の体制を週あたり延べ4名から8名に強化いたしました。今後も様々な角度から、中小企業の支援に努めてまいります。

[2] 実効性ある男女平等参画の取組みについて

Q質問

平成22年内の閣議決定を目指して、現在、男女共同参画の第3次基本計画策定が大詰めを迎えています。内閣府男女共同参画局によれば、今回の策定は経済・社会情勢の変化や基本法施行後に男女共同参画が十分に進まなかった反省の上に立って見直しが行われたそうであります。少子・高齢化の進展はもとより、景気低迷と貧困による男女間の格差の拡大は、日本の世界ジェンダーギャップ指数を低下させ、134カ国中101位にランクしました。先進国としてはお恥ずかしい限りです。このギャップを縮めるためにはどうしたらよいのでしょうか。このことを踏まえ、「第3次基本計画」のキーワードは「実効性」となったそうであります。すなわち、実効性のある基本計画を作ろうというわけです。

そこでお尋ねいたします。港区は総合支所制度の定着をはかるため、区民との恊働推進を掲げておりますが、区民との恊働は最も実効性のあるポジテイブ・アクションであると考えます。果たして区は、男女共同参画の場でどこまで官民恊働を推進しているのでしょうか。答弁を求めます。政策・方針決定過程への女性参画拡大については、女性自身の意識改革も必要ですが、雇用分野の環境整備も不可欠です。区民参加の審議会等の現状を見ますと、行政がメンバーを決定している部分では、女性50%をクリアしているようですが、民間機関から選ばれた委員や学識経験者を加えると30%台に落ちています。民間雇用機関、企業に対するインセンテイブを含めた男女の機会均等のアピールは行われているのでしょうか。ご答弁ください。男女平等センター等の機能の充実や強化が求められます。指定管理者に任せたままにせず、女性区民に対する男女平等参画の視点に立った国際情勢や見解、情報、催し等の周知徹底をはかるべきです。とくに、高齢者、障害者、外国人などさまざまな困難を抱える人々が安心して暮らせる環境の整備は重要であり、高齢人口が増大している現在、定年制等を設けて、当事者を排除した高齢者関連の審議会等がまかり通っていませんか。高齢女性の貧困を解決する施策が必要です。港区では実効性のあるポジテイブ・アクションへの取組みはどのように考えているのでしょうか。ご答弁ください。

A区長答弁

(1)男女平等参画の場における官民恊働の推進について

次に、実効性のある男女平等参画の取組みについてのお尋ねです。

まず、男女平等参画の場における官民恊働の推進についてです。
区では、平成17年度から、区民との恊働事業「男女平等参画週間記念フォーラム」を毎年開催しております。まら、男女平等参画センター(リーブラ)の運営においては、利用者、指定管理者、及び施設設置者である区が協議を行い、円滑な運営を図るとともに、利用者の意向を各種事業に反映させております。

さらに、平成22年3月に改定した新たな男女平等参画行動計画において、男女平等参画の推進に関する事業を実施するうえで様々な団体と連携していくことを、目指すべき施策の方向として明確に位置づけました。

今後とも、官民恊働の推進に積極的に取り組んでまいります。

(2)民間企業に対する男女機会均等のアピールについて

次に、民間企業に対する男女機会均等のアピールについてのお尋ねです。

男女平等参画の実現のためには、雇用分野の環境整備が不可欠です。

区は、これまでも男女平等参画センターにおいて女性のキャリア形成を支援してまいりました。

また、新たな男女平等参画行動計画においては、「企業・事業主への雇用における男女平等に関する働きかけ」を特に重点的に取り組んでいく施策のひとつとして位置づけております。今後は、ワーク・ライフ・バランス導入マニュアルの作成・配布等の事業を実施してまいります。

あわせて、第2次産業振興プランに基づいてワーク・ライフ・バランス導入に関する先進事例紹介のセミナーを実施するなど、普及啓発に努めてまいります。

(3)実効性あるポジテイブ・アクションへの取組みについて

次に、実効性あるポジテイブ・アクションへの取組みについてのお尋ねです。

いわゆるポジテイブ・アクションとは、固定的な性別による役割分担意識等から、男女間に生じている差を解消するために行う自主的、積極的取組みです。

男女平等参画行動計画においては、新たな事業としてワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度を実施します。

この事業は、仕事と子育ての両立、働きやすい職場環境づくり等に積極的に取り組んでいる企業を区が認定するもので、認定企業は、区広報紙、ホームページ等を活用し、広く紹介してまいります。

さらに、入札・契約にあたっての簡易型総合評価制度の導入の試行の中で、認定企業を加点対象といたします。こうした取組みは、企業へのインセンテイブを付与することから、ポジテイブ・アクションといえます。

今後とも、行動計画を着実に推進し、誰もが性別にとらわれず豊かに生きることのできる男女平等参画社会の実現に向けて、取り組んでまいります。

[3] 「廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認」の評価について

Q質問

東京23区清掃一部事務組合が、一般廃棄物に含まれる廃プラスチック類を「燃やさないごみ」から「燃やすごみ」に変更し、「廃プラスチック類混合可燃ごみ」とした時、港区は、プラスチック類を燃やすことへの区民の根強い不安に応えて、プラスチック類の全面リサイクルを決め、資源ごみとしての回収と取り組んでいます。この港区の英断に私は心から感謝し、区民の皆様とともに港区を誇りに思うものであります。

もとより、区民の根強い不安は決して科学的根拠のないものではありません。循環資源研究所所長の村田徳治氏の解説によれば、廃プラスチックを焼却し、燃焼排ガス中に塩化水素が存在することによって、「酸素塩素化反応」によりダイオキシンは発生する、ダイオキシン問題は、解決済みの問題ではない、最近の日本人のダイオキシン摂取量が体重1キロあたり1.0~1.5ピコグラムと推定されていることからして、その安全域には全く余裕がない、のだそうです。その上、廃プラスチックを焼却すれば、地球温暖化を促進することになり、23区のヒートアイランド現象に、さらに拍車をかけることになります。

清掃一組では、各区のモデル収集の開始、拡大及び本格実施に合わせて、廃プラスチックを含む可燃ごみの焼却処理が排ガス、排水、焼却灰等に及ぼす影響や、焼却施設及び周辺環境への影響等についての確認、解析即ち実証確認を行いました。その結果、2009年10月に廃プラスチックを含む可燃ごみの焼却による影響は認められない、すべて基準以下と発表しています。

この結論に疑問を抱いた者は少なくありません。中でも東京23区の議員の有志は政務調査費を支出して、株式会社環境総合研究所に「廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認」について評価を依頼したわけです。このたび、当該「評価報告書」を入手し、分かりやすくグラフ等にまとめられた数字から、未検出とされたものについては「含有濃度」で表すことにより明確になったことは、明らかに実施前と実施後では一部の例外を除く全ての炉においてダイオキシン類濃度が大きく上昇していることです。港区清掃工場の場合でも6倍の上昇値が認められます。焼却灰中のカドミュウム濃度についても、なぜか港区はかなりの濃度上昇がみられたことになっています。評価のまとめでは、評価の対象となった「実証確認」は3億4千万円の税金投入に値しないとの厳しい判断が下されました。

区長のご感想、お考えをお聞かせください。

A区長答弁

最後に、「廃プラスチック混合可燃ごみ焼却実証実験」の評価についてのお尋ねです。

東京23区清掃一部事務組合は、廃プラスチックを含む可燃ごみを焼却処理した場合の環境への影響等について、平成19年11月と20年11月に港清掃工場での実証確認を行いました。結果は、全ての測定項目で法規制値等を下回っておりました。

実証確認は、国の基準で定められた分析方法等により、認定等をを受けた分析機関が行っていると聞いております。

また、区も独自に「港清掃工場周辺大気環境調査」を、平成19年度以降年2回、同様の方法で行い、結果は、すべての測定項目で法規制値等を下回っております。

その結果につきましては、近隣住民等を委員とする港清掃工場運営協議会で説明をし、公表をしてまいりました。

区は今後も、継続して独自に大気環境調査を行い、区民の安全・安心の確保に努めてまいります。

よろしくご理解のほどお願いします。

教育に係わる問題については、教育長から答弁いたします。

[4] 港区における小中一貫教育の今後の方向性について

Q質問

さる4月6日、港区初の小中一貫教育校、「お台場学園」が開校し、港区の歴史にまた新たな一歩を記しました。この学校は「国際科教育」、「体育・健康教育」、「キャリア教育」に重点をおきながら、子ども一人ひとりの能力を最大限に引き出す教育を推進するという目標を掲げています。

そして次に、説明会を重ねて準備を進めているのが朝日中学校通学区域小中一貫教育校で、平成26年4月の開校を目指しているものです。三光小学校、神応小学校との合併が行われるについては、地域に根ざした学校づくり、学校・家庭・地域の連携を深め、相互理解、協力に基づく教育活動の展開を目指すとしています。

お台場学園と朝日小中一貫校との間には独自性もあり、実現すべき共通の理想もあるわけで、6・3制の下で行き詰まってしまった教育が、9年制で突破口を見いだし、新教育力となるようにすべきであります。

いずれにせよ、お台場学園による検証が待たれるところですが、港区における小中一貫教育の今後の方向性について、教育長のご見解をお聞かせください。

A教育長答弁

ただいまのフォーラム民主を代表しての樋渡紀和子議員のご質問に、お答えいたします。

小中一貫教育校の今後の方向性についてのお尋ねです。

小中一貫教育は、9年間の一貫した教育により、継続的、計画的な学習指導と生活指導や、小・中学校の教員の相互協力や一体化を図るなかで、学力向上や、いじめや不登校のない教育環境を目指すことを主な目的としております。

今年4月に開校したお台場学園では、小中の教員の同僚としての意識が深まったことにより一体的な指導体制が整い、児童・生徒は新しいカリキュラムの下、生き生きとした学習活動に取り組んでおります。

今後の小中一貫教育校の設置や在り方については、各小中学校の立地条件、児童生徒数の推移及び学校規模、通学区域、地域の意見・要望、お台場学園の成果等も踏まえながら、小・中の校長会とともに研究を進め、小中一貫教育を推進してまいります。

よろしくご理解のほどお願いいたします。